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改造画1−1(動きの軌跡をすべて表示 千手観音みたいですが........ちっと怖えーよ)
改造画1−2(背景と対象を分離した完成図 全部で16枚)
今まで私は、いくつかの改造画を提示してきましたが、
一つだけ意図的に「回避していた作業」があります。
それは、動かす対象(人物)と背景を分離することです。
画像1枚から作り出すgif画製作では、対象と背景との分離はしていたんですが、
改造リッピングになってからは、まだ一度も行っておりません。
今回が初めてです。
なぜならそれが、
すんげーめんどくさいからです(笑)
原画1
というのも、画像1枚から作り出すgif製作ですと、
対象と背景との分離は、1枚だけでよいのですが、
リッピングされたgif画は、基本30枚前後もあるため、
その全てを背景から切り抜こうと思うと、
作業量が単純に30倍になってしまいます。
人間の動きといのは、真に複雑・多様かつ微妙で、
この30枚の中には、
一つとして完全に同じ動きをしている「絵」はありません。
言い換えれば、対象と背景を分かつ対象の「輪郭」は、
30枚それぞれが全く違うのです。
たとえそれが、「静止」に近いショットであっても、
ピタリと寸分の狂いもなく同じということはまずありません。
対象を撮影しているカメラでさえ微妙に動きますから、なおのことです(笑)
改造画2−1(動かす対象を背景と分離)
改造画2−2(分離なし。背景が一緒に変形してしまう)
この作業にかかると、改造リッピングgif製作時間は、
1枚で3時間以上は費やさねばなりません。
今回は、4枚の改造画をご用意しましたが、
最初の1枚目は、5時間以上もかかってしまいました(笑)
慣れてくれば、ある程度時間短縮はできますが、
この手の作業は、手間を減らして可能な限り効率化を図る、
といったことが全くできないのです。
要は、1枚1枚丁寧に切り取らねばならんのですよ(泣)
※ Photoshopに「自動選択」というツールがありますが、
CGやアニメのような作り物と違う「写実画」には、
アンチエイリアス(境界線のギザギザを少なくする)が、
こちらの思うようには決して働きません。
Photoshopを使われる方ならご存知だと思うんですが、
切り抜きたい部分を選択しても、
余計な所まで選択してしまったりすることがほとんどなので、
結局1枚1枚丁寧に切り取ったほうが手っ取り早いんですね。
原画2
しかしそれでも、この分離を行うことによって「絵」のリアルさは飛躍的にあがります。
分離をしないと、改造画2−2のように、
対象と背景が一緒に変形した奇妙な「絵」になってしまいます(笑)
今まで掲載してきた改造画はすべてそうでした。
部分修正は行っていたんですが、それでも動画として繋いでみると
空間の不自然な歪みがどうしても残ってしまいます。
鑑賞者の興奮を煽る「演出」としての効果はあるんでしょうが、
やはり全てのシーンにそれをするのは無理があるようです(笑)
改造画3(開口を小さくし、お尻を半分隠して「相手」がいるかのように見せる演出)
切抜画3(切り取られた部分は、背景を埋め合わせなければならない)
作業量の増加以外にも問題はあります。
それは、人物の輪郭を切り取ると、
切り取られた(抜けた)部分が真っ白になってしまうということ(切抜画3)
撮影されたグラビアなり、画像なりに奥行きや空間はありません。
現実の世界のように、対象がいなくなったからといって、
その奥にある背景が姿を現わすわけではありません。
だから、この真っ白になった部分は、
こちらで作って「埋め合わせ」をしなければならないのです。
しかも、対象が動けば、そして1枚1枚の動きが違うならば、
白抜きになる部分も当然1枚1枚違ってくるので、
30枚なら30枚全てに、この「埋め合わせ」を施さなければなりません。
埋合画3(ドア枠から内側を大体の感で作り「ぼかし」を入れてディテールを騙す)
しかし、こいつをやってると、
もうさすがに切りがない(終わらなくなってしまう)ので、
今回は、中止しました(笑)
要は、「対象=人物は動くモノ」「背景は固定された動かないモノ」
として割り切って考えればいいんです。
つまり、背景を1枚だけ作っておいて、そいつをベースにして
対象だけを編集して動かしていけばいいということ。
※ 例えば、人物が扉を開けたり、
物を動かしたりするシーンならば話は別ですが
絵画みたいに、本当に「ただの背景」としてしか機能していないなら、
これだけで十分動画にみえます。
原画3
この場合、Photoshopにコピースタンプツールというのがあるので、
隣接する背景の模様をサンプリングして、真っ白な部分を塗りつぶしていきます。
もちろんこの作業も、原画1、2、4のように、
背景が単純な構成なら、簡単ですぐに終わるのですが、
原画3のように、室内の窓やテーブル、カーテン、果ては窓の外に見える風景、
といった複雑な構成になってくると超超大変です。
専門的な建築知識があっても、その室内ディテールを、
この1枚から得られる情報だけで完全に再現するのは不可能です。
ならば、「感」で作っていくしかありません。
白抜きになってしまった部分の室内装飾全てです!
改造画4
窓枠、天井縁、長押等のラインを延長して繋いでみる、
といったような「取り掛かりやすい作業から」まずスタートして、
その間に壁紙、ガラス等の質感を貼り付け、カーテンを引き、家具を置く、
というふうに、順番に徐々に細部を仕上げていくしかありません。
それでも元の画像と比べると、
ずいぶん漫画臭い「ちゃち〜」仕上がりになってしまいました(笑)
かなり時間をかけて、相当丹念にやれば、もっと精巧作り込むことは可能ですが、
今回は、ドア枠の内側に見える室内風景にぼかしを入れて、
そのキッチュ(ちゃち)なディテールを騙す、
という「セコい技」を用いております(埋合画3−2)
しかし結果的に、脇役である背景をぼかし、
主役である人物にピントを合わせクローズアップされた、
よりリアルな「絵」になったと思います(改造画3)
原画4
ちなみに、
改造画1は、対象の動きの軌跡をわかりやすくするため、
1〜16の番号のついた画像を1枚1枚順々に「消していく」
という方法でgifファイル化を行っております。
背景と対象を分離するとこんなこともできます。
※ 1〜16番の画像を表示して、1枚のjpeg画像にして保存、
次は2〜16を表示して、1枚のjpeg画像にして保存、
次は3〜16を表示して、1枚のjpeg画像にして保存、
というふうに繰り返して、15枚(15〜16を表示)のjpeg画像を作っていくと、
16枚目(最後は16番の画像だけになる)で対象が「一つ」になります。