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グラオナの旅

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Posted by グラオナ最高 on  | 

205 THE WORLD 〜 無駄無駄無駄無駄無駄ぁーーーーっ!!〜

DIogif.jpg
「無駄無駄無駄無駄!」と叫びながらジョセフにナイフを投げつけようするDIO。

久々に「オナ記事」以外の記事を書きます!
このブログとはなんの関係もないお話、興味のない人にははっきり言ってつまらん記事です(笑)

しかしジョジョラーである私は、
現在放送されている「ジョジョの奇妙な冒険第3部〜スターダストクルセイダース」が
最終局面を迎えておりますゆえ超興奮状態!! 

日本からずっと旅を続け数々のスタンド使いを破ってきたジョースター一行の前に、
純粋なる「悪」そしてジョースター家永遠の宿敵・ディオブランドーがついに姿を現します!
現在第3部の最終決戦、承太郎vsDIOが佳境を迎えていて最高にエキサイティングです!

故にどうしてもこの記事を書かずには入られませんでした!


花京院がDIOのThe Worldに敗れるシーン、ハイエロファントグリーンの結界が美しいです。

ジョジョの奇妙な冒険を知らない方もいらっしゃるでしょう。
簡単に説明しますと、この作品は1987年に少年ジャンプにて連載開始、
第1部から現在連載中の第8部まで、実に30年近くが続いている漫画家・荒木飛呂彦の代表的作品、
主人公ジョジョにまつわる奇妙な運命と冒険、そしてその成長を叙事詩的スケールで描く超大作です。

ちなみに、下記が第1部〜第8部までのデータリスト
と、基本的な話のあらすじを記しておきます(結局超長文になっちゃいましたが)


第1部 〜ファントムブラッド〜

主人公  ジョナサン・ジョースター(名門ジョースター家の跡取り、真面目な紳士、考古学者)

ラスボス ディオ・ブランドー(ジョースター家の養子となる、野心家、追い詰められて吸血鬼に転生)
舞台   イギリス(地域不明)
年代   1889年

ロンドンの貧民街に生まれたディオは、父親の口利きで名門ジョースター家の養子として迎えられます。
野心家で非常に狡猾なディオは、ジョースター家の財産をのっとるため、
当主であるジョージとその息子・跡取りのジョナサンを殺害する計画を練ります。

しかし、この計画はジョナサンの知ることとなり、殺人未遂(及び実の父殺害)の罪で警察に追い詰められるハメに。
足掻き場を失ったディオは「石仮面」なるモノを被り、人間から吸血鬼に転生、圧倒的な力を得て人間を超越、
ディオとジョナサンの死闘が繰り広げられげます(「俺は人間をやめるぞ! ジョジョ!」という名セリフ)

しかし、ディオはジョナサンにジョースター邸で1度、波紋法を身に付けたジョナサンに再度敗れ、
結局、最後は「首」だけになってジョナサンの肉体を奪い豪華客船と共に海の中に沈んでしまいます。
そして100年の眠りに...........

img_0.png 
ディオとジョナサン初めての出会い

第2部 〜戦闘潮流〜

主人公  ジョセフ・ジョースター(ジョナサンの孫、チンピラ、軽薄、後にニューヨークの不動産王となる)

ラスボス カーズ(吸血鬼を食料とする上位生物、最後に究極生物に進化)
舞台   ニューヨーク、メキシコ、ローマ、ヴェネツィア、サンモリッツ
年代   1938年

ディオとの戦いから、50年後、20世紀初頭のニューヨークから物語は始まります。
主人公は、ジョナサンの孫、ジョセフ・ジョースター。
「石仮面」を創った一族と波紋戦士達の戦いを主軸に、
主人公ジョセフの数奇な運命とその成長を描いたストーリーです。

690196.png 3206336i.jpg 
ジョセフ・ジョースターとカーズ

第3部 〜スターダストクルセイダース〜


主人公  空条承太郎(「条」と「承」でジョジョ、ジョセフの孫、超クール、不良高校生)

     スタンド:スター・プラチ(超スピード&パワー、精密な動き、時間を止める)
ラスボス ディオ・ブランドー(ジョナサンの肉体を奪って生き延びスタンド能力を身につける)
     スタンド:ザ・ワールド(超スピード&パワー、精密な動き、時間を止める)
舞台   東京、香港、シンガポール、カルカッタ、ベナレス、パキスタン、紅海、カイロ
年代   1987年

さらに50年後、舞台は現代(といっても30年前ですが)日本の東京。
主人公はジョセフの孫、空条承太郎。
100年前に海底に沈んだディオが蘇り、ジョースター一族に再び災いをもたらします。
承太郎は祖父のジョセフと共にディオを倒し、100年前の因縁に決着をつけるためエジプトへ向かいます。


ジョセフvsDIO、かつて究極生物カーズを破ったジョセフの波紋も時を止めるDIOの前では成すすべなし。

第4部 〜ダイヤモンドは砕けない〜

主人公  東方仗助(「仗」と「助」を音読みしてジョジョ、ジョセフの不倫の子、キレるとヤバイ、高校生)

     スタンド:クレイジー・ダイヤモンド(殴った物体を治癒する)
ラスボス 吉良吉影(女性の手に性欲を感じる殺人鬼、しかし平穏な暮らしを望む異常者)
     スタンド:キラークイーン(触れた物体を爆弾に変える、時間を戻す)
舞台   宮城県仙台市杜王町(架空の街)
年代   1999年

さらに10年後、舞台は20世紀末日本の仙台市杜王町という架空の街に移ります。
主人公は、ジョセフと日本人女性・東方朋子との間に生まれた東方仗助(承太郎にとって年下の「甥」)

このエピソードは冒険活劇であるジョジョシリーズの中でもかなり異質で、
1つの街の狭い範囲だけで起こる事件を扱った箱庭的なお話です。
仗助は、ディオの影響によって幼い頃に発言したスタンド能力で様々な事件に遭遇、
「スタンド使い同士は惹かれ合う」といったジンクスで話が展開していきますが、
1つの街にスタンド使いが何十人もいる(生まれる)というちょっと強引な設定。

しかし、主人公・仗助の再生能力、ラスボス・吉良の破壊能力、この2つの能力は、
人類が歩んできた「破壊の歴史」、そしてこれから我々が歩まねばならない「再生の未来」を象徴するかのよう。
そういう意味で、両者の力が衝突し歴史と未来を二分する最後の戦いは、
(空間的な移動ではなく)時間的なレベルで描かれた冒険活劇なのではないかと思います(私論ですが)

ちなみに仗助の髪型は、80年代バリの超リーゼント(芸術的なくらいキマってます)
そしてそのヘアスタイルをけなされると「プッツン」するという変なキャラです(笑)

l_50a24cc67ad72.jpg55c7df24f7dbe0c17432e44453d8a623.jpg 
東方仗助と吉良吉影

第5部 〜黄金の風〜

主人公  ジョルノ・ジョバーナ(本名汐華初流乃、ディオの息子しかし人間、ギャングスターに憧れる高校生)
     スタンド:ゴールド・エクスペリエンス(物体に生命を与える、敵の意思をくじく)
ラスボス ディアボロ(イタリアンマフィアのボス、二重人格、己の正体を隠すことに異常にこだわる)
     スタンド:キング・クリムゾン(対象が辿る時間=動きの軌跡を消し去る、未来を知る)
舞台   ネアポリス(ナポリ)、ベネツィア、ローマ、イタリア各島々
年代   2001年

さらに2年後、舞台はイタリア、主人公はディオと日本人女性との間に生まれた、
しかしなぜか吸血鬼ではない普通の人間、ジョルノ・ジョバーナ。

このエピソードはジョースター一族の因縁とは何の関係もなく展開します。
ギャングスターに憧れるジョルノとその仲間達のマフィアとの抗争を描いたストーリー。

この第5部もそういう意味では異質なんですが、
しかしジョナサンとディオ、両者の混血児であるジョルノは、
無機物から「生命」を生み出すほどの驚異的な力をもつスタンドを操ります。
しかも最後は、敵が攻撃するその意思を消し去り「0」に戻してしまうほどの作中最強のスタンドに進化。

・ディオ=時間を止める=一時停止
・吉良吉影=時間を戻す=巻き戻し
・ディアボロ=時間を飛ばす=スキップ
・ジョルノ=時間を作り直す=再録画

上表は各人の能力をVTR再生機の機能に置き換えたものです。
ディオにしろ、吉良にしろ、ディアボロにしろ、世界を支配する能力などと言っておりますが、
所詮は一度何者かによって作られた「時」の中を往来するだけの能力にすぎません。

しかし、ジョルノの能力は時間全てを戻して未来そのもを作り変えてしまいます。
テープを全て巻き戻して上から重ね撮りするようにです。


しかも、敵が攻撃するというその行為を「無かった」ことにして歴史を改変、
さらに相手を永遠に「死に続ける」無限のループに追いやる(未来=可能性を与えない)ことさえ可能。

a43165e6.jpgtop_4580122818678_20150713071547b96.jpg  
ジョルノ・ジョバーナとディアボロ

「時」そのものを作り直す。

正確に言うなら、時間を戻して「破壊の未来」を消去、破壊が発動する前の状態に戻す、
それは新たな未来を生きる可能性=チャンスをもう一度作り出すこと、
そして、破壊の執行者、吉良やディアボロのように他者=生命を顧みない者を無間地獄に置き去りにする能力。

それは明らかに次元が1つ上の力=理力(Force)なのです。
(フリーザとかが地球をぶっ壊そうとしても、ジョルノのスタンドが「先」に発動して破壊を阻止!)

・ゴールエクスペリエンス(黄金の体験)
 万物には可能性に満ちた「生」を=無機物に生命(可能性)を与える
・レクイエム(死者へ贈る曲)
「生」を害する(否定する)者には永遠の「死」を=無限ループに閉じ込める

・短い時の中を全力で駆け抜け、「生」を賛美し肯定するジョナサン      → 刹那を生きる
・長い時の中で人間に宿命づけられた絶対的な「死」を超越しようとするディオ → 永遠を生きる

「生」や「死」に対する考え方は2人とも全く正反対、
両者は決して相容れないのですが、彼は相反する2人の意思を受け継ぎ、
「ゴールドエクスペリンエンス・レクイエム」という形で一つの答えを出したのではないでしょうか?

この生死を司るジョルノの力こそ、ジョジョの奇妙な冒険という作品の、
根源的なテーマを最も如実に表しているのではないかと思います。

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空条徐倫とプッチ神父

第6部 〜ストーンオーシャン〜

主人公  空条徐輪(承太郎の娘、父親を嫌っている、無実の罪で刑務所に入れられる、19歳)
     スタンド:ストーンフリー(肉体を糸状に変化させる)
ラスボス エンリコ・プッチ(刑務所専属の神父、ディオの友人、素数を数えると落ち着く)
     スタンド:ホワイトスネイク / C-MOON / メイド・イン・ヘブン(時間を加速させる)
舞台   州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所〜ケープ・カナベラル(アメリカ)
年代   2011年

さらに、10年後、舞台はアメリカ。
主人公は空条承太郎の娘、空条徐倫、彼女は恋人に騙され無実の罪で刑務所へ入れられてしまいます。
しかし、それはこの第6部の黒幕が描いた陰謀で、本来の目的は空条承太郎のスタンド能力と記憶を奪うこと。
黒幕の名は、刑務所専属の神父エンリコ・プッチ、彼はディオの友人で、
ディオが生前ノートに残した「天国へ行く方法」なるモノを知ろうとしていました。
しかしそのノートは、承太郎が(ディオとの決戦の後)エジプトにて発見し焼却。
それゆえ、中身を知っているただ一人の人物、空条承太郎は娘を餌に刑務所におびき出されてしまいます。

この第6部のテーマはおそらく、「過去からの復讐」なのでしょう。
そしてここで、ジョースターは「善」、ディオは「悪」という少年誌らしい単純な構図が崩れ去ります。

第5部のジョルノとその能力進化辺りからその傾向はあったと思いますが、
「絶対悪」とされていたディオが目指す世界のあり方は、決して世界に君臨する王になるだとか、
人類を滅亡させるだとか奴隷にするだとかいったような幼稚な支配欲ではありませんでした。

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承太郎とディオ  

それは「宇宙を一旦終わらせてもう一度やり直す」という恐ろしく壮大な計画!
ほとんど誇大妄想にしか聞こえませんが、
おそらく(ノートを見た承太郎にも理解できなかったと思いますが)
止まった時の中を動くことができるディオにはさらに先のヴィジョンがあったのでしょう。

去っていったディオの構想を受け継いだプッチ神父は「天国へ行く方法」なるモノへたどり着きます。
そして彼が身につけたスタンド能力こそ「時間を加速させる能力=メイド・イン・ヘブン」
これは人間やその他の生物以外の時間の流れを急激に加速させることができる能力。
上記の表に当てはめてVTR再生器に例えるなら「早送り」になるのかな(ジョルノの前では無力でしょう)

彼の野望は、宇宙の終わりまでたどり着き、再開された新たな宇宙において人類の再生を図る、
というありえないスケールのデカさ(笑)
結局最後は、プッチ神父自身が捨て去ったはずの「過去からの復讐」にあってこのエピソードは終了しますが、
このプッチ神父のスタンドによって誕生したパラレルワールドが、
第7部・第8部のストーリーとなります(新しい宇宙に承太郎は存在しません)


承太郎「オラオラ」とDIO「無駄無駄」のラッシュ対決。

第7部 〜スティール・ボール・ラン(北アメリカ大陸横断レース)〜

主人公  ジョニィー・ジョースター(本名ジョナサン・ジョースター、天狗、足の不自由な騎手)
     スタンド:タスク(回転エネルギーを操る)
ラスボス ディエゴ・ブランドー、ファニー・バレンタイン(第23代アメリカ合衆国大統領)
     スタンド:ザ・ワールド、ダーティー・ディーズ・ドーン・ダート・チープ(パラレルワールドを行来)
舞台   北米大陸
年代   1890年

時代は再び19世紀末に戻り、今度は北米大陸を横断するレースを主軸に物語が展開。
主人公は足の不自由な騎手・ジョニー・ジョースター。

この第7部では、ツェペリ(第1部ジョナサンの波紋法の師)、アブドゥル(第3部承太郎の仲間)
シュトロハイム(第2部に登場するドイツ軍人)、東方(第4部東方仗助)等々、
これまでジョジョシリーズに登場した人物によく似たキャラがこのレースこぞって出場、
名前が全く別でも、スタンド能力がその人物の辿った末路を思わせるなど、
ジョジョラー達を中々楽しませてくれるエピソードです。

しかしこれは単なるセルフパロディー物ではなく、
黒幕であるファニーヴァレンタインの並行世界を行き来する能力に関係しているらしく、
最後の敵であるディエゴ・ブランドーはその並行世界より連れてこられたとか、
時を止める「ザ・ワールド」を使うらしいです。
何でも「聖人の遺体」なるモノを手にいれるため、仕組まれたレースだとか...........

「聖人の遺体」とは一体何なのか? 誰の遺体なのか? 

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ジョニー・ジョースターとファニーバレンタイン

第8部 〜ジョジョリオン〜

主人公  東方定助=吉良吉影(同一人物?)
     スタンド:ソフトウェット(物体から物理的特性を奪う)
ラスボス 連載中のため不明
     スタンド:同じく不明
舞台   宮城県S市杜王町
年代   東北大震災直後

舞台は再び現代日本・宮城県S市杜王町、
主人公は震災によってできた地形の割れ目から発見された「東方定助」という青年。
しかしこの青年は、DNA鑑定の結果「吉良吉影」という人物であることがわかります。
第4部のラスボスであった「吉良」が、同じく第4部の主人公の名を名乗るなんとも不可解なお話。

この第8部ではジョースター家の家系図が明らかになります(「これは呪いを解く物語」だそうです)
その家系図によると、第7部ジョニージョースターは、
スティールボールラン優勝者・東方乗助とともに日本に渡り、娘リナと結婚、息子ジョージを設けます。
ジョージはリサリサとの間にジョセフを設け、ジョセフはスージーQとの間にホリィを設けます。
ここまでは第6部、パラレルワールドが誕生するまでのジョースター家の家系図と同じ。

しかし、ホリィは「空条貞夫」ではなく「吉良」という男と結婚、「吉良吉影」という息子を設けます。
第3部ではホリィの息子は「空条承太郎」、
ここでは「承太郎」のポジションに「吉良吉影」が入り込んでいます。

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東方定助(吉良吉影)とそのスタンド・ソフト&ウェット(ラスボスは不明)

プッチ神父によると、パラレルワールド誕生以前に自分に殺された承太郎や徐倫らは、
新しい宇宙では誕生しないという話だったので承太郎→徐倫が存在しないのはわかるのですが、
なぜその代わりが、第4部ラスボスの「吉良」なのか?(「オラオラ」といってスタンド攻撃するのは同じ)

そして、この論理に従うと本物の東方仗助は存在する(した)はず。
一体どこへ行ってしまったのか?

また第5部ジョルノジョバーナも存在するはずです。
しかしジョルノはジョナサンとディオの混血児。

第7部でジョニー(ジョナサン)とディエゴ(ディオ)は死闘を繰り広げますが、
ディエゴは吸血鬼になるわけでも、ジョニーの肉体を奪うわけでもないそうです(まだ読んでません)
そうなるとジョルノはいかなる形でこのパラレルワールドに登場するのか(しないのか)?
ディエゴの子孫みたいなのが出てきているみたいですから、そのラインからなんらかの繋がりで登場するかも。

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スタープラチナとザ・ワールド

しかしこのパラレルワールドでは、
ジョースター家の血統は「誇り」というよりも、運命を縛る「足枷」のように働いています。

ジョースター一族は、ディオという「絶対悪」の存在あったからこそ、
自分たちを「正しい」と信じることができました。
それはある意味幸せなことなのでしょう。
シンプルでわかりやすい、ということは目的意識や目標をしっかりと持つことができるからです。
(ヴィジョンが明確になりやすい、目標を定めやすい)

しかし、「絶対悪」のいないこのもう一つの世界では、
そのクッキリした二元論的関係は崩れ去ってしまうわけです(現実の世界は普通そうです)

※ スタンドとは使い手のそばに立ち、使い手を守る守護霊のような存在で、
 使い手によって全く違ってた固有の「像」と「能力」を持っています(スタンド使いにしか見えない)
   精神力の強い者に発現し、精神の強さがそのままスタンドの強さとなって現れる超能力表現の進化形。


止まった時の世界に入門する承太郎。

と、まあデータをリスト化しただけではもちろん、
このように長文を費やして説明しても説明しきれないくらい、この作品は長く複雑で入り組んだストーリーです。
実は私、第7部の途中までしか読んでないので、それ以降の詳細な内容を実は知りません(笑)

しかし、連載全てを通して、圧倒的な人気を誇るのが第3部スターダストクルセイダース!
ジョースター家にまつわる奇妙な物語は、このディオという男の介入によって始まります。
彼は、現在放送されている第3部で死亡しますが、
残された負の遺産によってその後の子孫たちの運命は捻じ曲げられてしまいます。

この第3部辺りから、「時間に干渉する」能力が登場するので話はより複雑で分かりにくい展開に(笑)
しかも、その内容をちゃんと理解していないとその後のストーリーを追っていけないんですね。
ですから、この第3部最終決戦は「ジョジョの奇妙な冒険」という作品を深く、
そして最もわかりやすく理解するための「基本」とも言える重要なエピソードなのです。


凶悪かつ最もシンプルな処刑法を思いつくDIO。さすが純粋なる「悪」

上記に記しましたように、スタンドの能力は人それぞれ。
主人公・空条承太郎のように単純にパワーとスピードで敵を殴り飛ばす、
いかにも少年誌の主人公らしいシンプルでわかりやすい能力もあれば、
炎、砂、水、氷、磁力、霧等、自然の力を操る能力、剣や銃などの武器を操る能力、
鉱物や乗り物、人等、何かに化ける能力、未来を予言する能力、心を読む能力、魂を奪う能力、
人に取り憑いたり、幻覚や夢、太陽を作り出したり、念写したり、反射する光の中を移動したり、
と、よくもまあここまで考えるなぁ〜と、
関心し呆れてしまうほどバラエティーに富んだスタンドが現れます。

こいつのスタンド能力こそ最強なんじゃね?と思っても必ず弱点があって、
ジョースター一行は毎回知恵を振り絞ってその弱点を見極め、
次々に現れるスタンド使い(ディオの配下)を撃破していきます。
(ジョジョの戦いはすべて、正に刹那の時=「これしかない」っていう瞬間を見極めるように展開されます)

じゃあラスボスのディオの能力ってどんなん?
と当時ガキンチョだった私はおろか、
全国の少年達を大興奮の渦の巻き込んだそのディオのスタンドこそ「時間を止める」能力!!

説明するまでもなく掲載した動画をご覧いただければわかるのですが、
どんなに強いヤツでも、時間を止められて知らない間に攻撃されてしまったらもどうしようもありません。
素っ裸で寝ている所をジロジロ見られているようなモノ、完全な無防備状態。
相手が目の前にいても気付かない、攻撃されても気付かない、
ディオが言うように「死んでいることにすら気付かない」反則みたいな能力。

「そんなんありかよ〜」と当時思ったことも事実ですが、確かにこいつは最強、
タロットカードナンバー21「THE WORLD」世界を支配するにふさわしい能力だと思います。
それにしても、ディオの野望はいつの間にか「世界征服」になってるんですね(笑)


承太郎との頭脳戦に敗れるDIO。DIOを睨むスタープラチナの表情がなんとも痺れます!

昔、OVA版を見たことがあるんですが、今ひとつ迫力に欠ける作品で残念だったのを覚えています(泣)
しかし現在放送されているジョジョは演出、迫力共々申し分なし!
3D使ったり、逆に原画の絵をそのまま動かしたりするなど凝った演出がされています。

ファンにとって一番嬉しいのが、
この作品に登場するキャラの独特なポーズやセリフ回しを特に強く意識して描かれているという点ですね。
以前何かの記事でご紹介したいわゆる「ジョジョ立ち」という極端に腰に捻転を加えた独創性豊かなポーズは、
この「ジョジョの奇妙な冒険」に由来していて、
どっかの国で「ジョジョ立ち」のコンテストまで開かれているほどグローバルになっております(笑)

私はよく「腰の感じがなんかイヤラシイ」などと言いますが、
この「腰の捻り」へのこだわりは多分この作品にあると思います(笑)
それと画像から動画へ興味が移っていったのもこの作品の影響。

静止した画像を動かし対象(人物)=被写体に「時間」を与えてやる、
動画を改造することで対象(人物)=被写体に別の未来(パラレルワールド)を歩ませる、
軌跡を変える、軌道を捻じ曲げる、ブレ、リバース、基準を合わせる、基準を見つける、基準を作る、
すべてこの作品のややこしい話がヒントになっております(笑)


最後は承太郎が時を止めます。ちょっと強引(笑) 

現在の第3部が終了すると第4部が始まるのですが、放送されるかどうかはわかりません。
ファンとしては大いに期待してますが!

しかしこっから先は、より複雑で入り組んだ世界が展開されます。
スタンド能力も進化、つまりよりわかりにくいモノが登場します(笑)

空間を削り取る能力、対象を情報の塊(本)に変えてしまう能力、
住んでいる鉄塔から出られない能力(最も意味不明な能力、ツッコミどころが多すぎる能力)
物体に力をチャージする能力、色んなところにチャックを作る能力(笑)
考えただけでも頭がクラクラしてしまいそうなわけのわからんスタンド能力が登場、
しかも複雑な心理戦・頭脳戦が展開されるので、
ファンの私ですら未だによく理解できないエピソードがあるくらい!

しかし、これがわかってくると超ハマってしまうんですね(笑)
そして、自分で「何かを作ってみる(経験してみる)」と、つまり作者同様創作する側に立ってみると、
ただ考えているだけ、受け身なって鑑賞しているだけでは理解しきれなかったところが、
理解できるようになってきます。「感触が実感として掴める」といった感じですか?

だから、「作る」というのは、物事を「より深く理解する」というこでもあるのです。

この作品はそういう意味でも、角度や視点を変えて見る価値大いにあり!
様々なアイデアを生み出すヒントのようなモノがたくさん詰まった作品なのです!

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年代   1889年

ロンドンの貧民街に生まれたディオは、父親の口利きで名門ジョースター家の養子として迎えられます。
野心家で非常に狡猾なディオは、ジョースター家の財産をのっとるため、
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しかし、ディオはジョナサンにジョースター邸で1度、波紋法を身に付けたジョナサンに再度敗れ、
結局、最後は「首」だけになってジョナサンの肉体を奪い豪華客船と共に海の中に沈んでしまいます。
そして100年の眠りに...........

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ディオとジョナサン初めての出会い

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ラスボス カーズ(吸血鬼を食料とする上位生物、最後に究極生物に進化)
舞台   ニューヨーク、メキシコ、ローマ、ヴェネツィア、サンモリッツ
年代   1938年

ディオとの戦いから、50年後、20世紀初頭のニューヨークから物語は始まります。
主人公は、ジョナサンの孫、ジョセフ・ジョースター。
「石仮面」を創った一族と波紋戦士達の戦いを主軸に、
主人公ジョセフの数奇な運命とその成長を描いたストーリーです。

690196.png 3206336i.jpg 
ジョセフ・ジョースターとカーズ

第3部 〜スターダストクルセイダース〜


主人公  空条承太郎(「条」と「承」でジョジョ、ジョセフの孫、超クール、不良高校生)

     スタンド:スター・プラチ(超スピード&パワー、精密な動き、時間を止める)
ラスボス ディオ・ブランドー(ジョナサンの肉体を奪って生き延びスタンド能力を身につける)
     スタンド:ザ・ワールド(超スピード&パワー、精密な動き、時間を止める)
舞台   東京、香港、シンガポール、カルカッタ、ベナレス、パキスタン、紅海、カイロ
年代   1987年

さらに50年後、舞台は現代(といっても30年前ですが)日本の東京。
主人公はジョセフの孫、空条承太郎。
100年前に海底に沈んだディオが蘇り、ジョースター一族に再び災いをもたらします。
承太郎は祖父のジョセフと共にディオを倒し、100年前の因縁に決着をつけるためエジプトへ向かいます。


ジョセフvsDIO、かつて究極生物カーズを破ったジョセフの波紋も時を止めるDIOの前では成すすべなし。

第4部 〜ダイヤモンドは砕けない〜

主人公  東方仗助(「仗」と「助」を音読みしてジョジョ、ジョセフの不倫の子、キレるとヤバイ、高校生)

     スタンド:クレイジー・ダイヤモンド(殴った物体を治癒する)
ラスボス 吉良吉影(女性の手に性欲を感じる殺人鬼、しかし平穏な暮らしを望む異常者)
     スタンド:キラークイーン(触れた物体を爆弾に変える、時間を戻す)
舞台   宮城県仙台市杜王町(架空の街)
年代   1999年

さらに10年後、舞台は20世紀末日本の仙台市杜王町という架空の街に移ります。
主人公は、ジョセフと日本人女性・東方朋子との間に生まれた東方仗助(承太郎にとって年下の「甥」)

このエピソードは冒険活劇であるジョジョシリーズの中でもかなり異質で、
1つの街の狭い範囲だけで起こる事件を扱った箱庭的なお話です。
仗助は、ディオの影響によって幼い頃に発言したスタンド能力で様々な事件に遭遇、
「スタンド使い同士は惹かれ合う」といったジンクスで話が展開していきますが、
1つの街にスタンド使いが何十人もいる(生まれる)というちょっと強引な設定。

しかし、主人公・仗助の再生能力、ラスボス・吉良の破壊能力、この2つの能力は、
人類が歩んできた「破壊の歴史」、そしてこれから我々が歩まねばならない「再生の未来」を象徴するかのよう。
そういう意味で、両者の力が衝突し歴史と未来を二分する最後の戦いは、
(空間的な移動ではなく)時間的なレベルで描かれた冒険活劇なのではないかと思います(私論ですが)

ちなみに仗助の髪型は、80年代バリの超リーゼント(芸術的なくらいキマってます)
そしてそのヘアスタイルをけなされると「プッツン」するという変なキャラです(笑)

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東方仗助と吉良吉影

第5部 〜黄金の風〜

主人公  ジョルノ・ジョバーナ(本名汐華初流乃、ディオの息子しかし人間、ギャングスターに憧れる高校生)
     スタンド:ゴールド・エクスペリエンス(物体に生命を与える、敵の意思をくじく)
ラスボス ディアボロ(イタリアンマフィアのボス、二重人格、己の正体を隠すことに異常にこだわる)
     スタンド:キング・クリムゾン(対象が辿る時間=動きの軌跡を消し去る、未来を知る)
舞台   ネアポリス(ナポリ)、ベネツィア、ローマ、イタリア各島々
年代   2001年

さらに2年後、舞台はイタリア、主人公はディオと日本人女性との間に生まれた、
しかしなぜか吸血鬼ではない普通の人間、ジョルノ・ジョバーナ。

このエピソードはジョースター一族の因縁とは何の関係もなく展開します。
ギャングスターに憧れるジョルノとその仲間達のマフィアとの抗争を描いたストーリー。

この第5部もそういう意味では異質なんですが、
しかしジョナサンとディオ、両者の混血児であるジョルノは、
無機物から「生命」を生み出すほどの驚異的な力をもつスタンドを操ります。
しかも最後は、敵が攻撃するその意思を消し去り「0」に戻してしまうほどの作中最強のスタンドに進化。

・ディオ=時間を止める=一時停止
・吉良吉影=時間を戻す=巻き戻し
・ディアボロ=時間を飛ばす=スキップ
・ジョルノ=時間を作り直す=再録画

上表は各人の能力をVTR再生機の機能に置き換えたものです。
ディオにしろ、吉良にしろ、ディアボロにしろ、世界を支配する能力などと言っておりますが、
所詮は一度何者かによって作られた「時」の中を往来するだけの能力にすぎません。

しかし、ジョルノの能力は時間全てを戻して未来そのもを作り変えてしまいます。
テープを全て巻き戻して上から重ね撮りするようにです。


しかも、敵が攻撃するというその行為を「無かった」ことにして歴史を改変、
さらに相手を永遠に「死に続ける」無限のループに追いやる(未来=可能性を与えない)ことさえ可能。

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ジョルノ・ジョバーナとディアボロ

「時」そのものを作り直す。

正確に言うなら、時間を戻して「破壊の未来」を消去、破壊が発動する前の状態に戻す、
それは新たな未来を生きる可能性=チャンスをもう一度作り出すこと、
そして、破壊の執行者、吉良やディアボロのように他者=生命を顧みない者を無間地獄に置き去りにする能力。

それは明らかに次元が1つ上の力=理力(Force)なのです。
(フリーザとかが地球をぶっ壊そうとしても、ジョルノのスタンドが「先」に発動して破壊を阻止!)

・ゴールエクスペリエンス(黄金の体験)
 万物には可能性に満ちた「生」を=無機物に生命(可能性)を与える
・レクイエム(死者へ贈る曲)
「生」を害する(否定する)者には永遠の「死」を=無限ループに閉じ込める

・短い時の中を全力で駆け抜け、「生」を賛美し肯定するジョナサン      → 刹那を生きる
・長い時の中で人間に宿命づけられた絶対的な「死」を超越しようとするディオ → 永遠を生きる

「生」や「死」に対する考え方は2人とも全く正反対、
両者は決して相容れないのですが、彼は相反する2人の意思を受け継ぎ、
「ゴールドエクスペリンエンス・レクイエム」という形で一つの答えを出したのではないでしょうか?

この生死を司るジョルノの力こそ、ジョジョの奇妙な冒険という作品の、
根源的なテーマを最も如実に表しているのではないかと思います。

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空条徐倫とプッチ神父

第6部 〜ストーンオーシャン〜

主人公  空条徐輪(承太郎の娘、父親を嫌っている、無実の罪で刑務所に入れられる、19歳)
     スタンド:ストーンフリー(肉体を糸状に変化させる)
ラスボス エンリコ・プッチ(刑務所専属の神父、ディオの友人、素数を数えると落ち着く)
     スタンド:ホワイトスネイク / C-MOON / メイド・イン・ヘブン(時間を加速させる)
舞台   州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所〜ケープ・カナベラル(アメリカ)
年代   2011年

さらに、10年後、舞台はアメリカ。
主人公は空条承太郎の娘、空条徐倫、彼女は恋人に騙され無実の罪で刑務所へ入れられてしまいます。
しかし、それはこの第6部の黒幕が描いた陰謀で、本来の目的は空条承太郎のスタンド能力と記憶を奪うこと。
黒幕の名は、刑務所専属の神父エンリコ・プッチ、彼はディオの友人で、
ディオが生前ノートに残した「天国へ行く方法」なるモノを知ろうとしていました。
しかしそのノートは、承太郎が(ディオとの決戦の後)エジプトにて発見し焼却。
それゆえ、中身を知っているただ一人の人物、空条承太郎は娘を餌に刑務所におびき出されてしまいます。

この第6部のテーマはおそらく、「過去からの復讐」なのでしょう。
そしてここで、ジョースターは「善」、ディオは「悪」という少年誌らしい単純な構図が崩れ去ります。

第5部のジョルノとその能力進化辺りからその傾向はあったと思いますが、
「絶対悪」とされていたディオが目指す世界のあり方は、決して世界に君臨する王になるだとか、
人類を滅亡させるだとか奴隷にするだとかいったような幼稚な支配欲ではありませんでした。

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承太郎とディオ  

それは「宇宙を一旦終わらせてもう一度やり直す」という恐ろしく壮大な計画!
ほとんど誇大妄想にしか聞こえませんが、
おそらく(ノートを見た承太郎にも理解できなかったと思いますが)
止まった時の中を動くことができるディオにはさらに先のヴィジョンがあったのでしょう。

去っていったディオの構想を受け継いだプッチ神父は「天国へ行く方法」なるモノへたどり着きます。
そして彼が身につけたスタンド能力こそ「時間を加速させる能力=メイド・イン・ヘブン」
これは人間やその他の生物以外の時間の流れを急激に加速させることができる能力。
上記の表に当てはめてVTR再生器に例えるなら「早送り」になるのかな(ジョルノの前では無力でしょう)

彼の野望は、宇宙の終わりまでたどり着き、再開された新たな宇宙において人類の再生を図る、
というありえないスケールのデカさ(笑)
結局最後は、プッチ神父自身が捨て去ったはずの「過去からの復讐」にあってこのエピソードは終了しますが、
このプッチ神父のスタンドによって誕生したパラレルワールドが、
第7部・第8部のストーリーとなります(新しい宇宙に承太郎は存在しません)


承太郎「オラオラ」とDIO「無駄無駄」のラッシュ対決。

第7部 〜スティール・ボール・ラン(北アメリカ大陸横断レース)〜

主人公  ジョニィー・ジョースター(本名ジョナサン・ジョースター、天狗、足の不自由な騎手)
     スタンド:タスク(回転エネルギーを操る)
ラスボス ディエゴ・ブランドー、ファニー・バレンタイン(第23代アメリカ合衆国大統領)
     スタンド:ザ・ワールド、ダーティー・ディーズ・ドーン・ダート・チープ(パラレルワールドを行来)
舞台   北米大陸
年代   1890年

時代は再び19世紀末に戻り、今度は北米大陸を横断するレースを主軸に物語が展開。
主人公は足の不自由な騎手・ジョニー・ジョースター。

この第7部では、ツェペリ(第1部ジョナサンの波紋法の師)、アブドゥル(第3部承太郎の仲間)
シュトロハイム(第2部に登場するドイツ軍人)、東方(第4部東方仗助)等々、
これまでジョジョシリーズに登場した人物によく似たキャラがこのレースこぞって出場、
名前が全く別でも、スタンド能力がその人物の辿った末路を思わせるなど、
ジョジョラー達を中々楽しませてくれるエピソードです。

しかしこれは単なるセルフパロディー物ではなく、
黒幕であるファニーヴァレンタインの並行世界を行き来する能力に関係しているらしく、
最後の敵であるディエゴ・ブランドーはその並行世界より連れてこられたとか、
時を止める「ザ・ワールド」を使うらしいです。
何でも「聖人の遺体」なるモノを手にいれるため、仕組まれたレースだとか...........

「聖人の遺体」とは一体何なのか? 誰の遺体なのか? 

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ジョニー・ジョースターとファニーバレンタイン

第8部 〜ジョジョリオン〜

主人公  東方定助=吉良吉影(同一人物?)
     スタンド:ソフトウェット(物体から物理的特性を奪う)
ラスボス 連載中のため不明
     スタンド:同じく不明
舞台   宮城県S市杜王町
年代   東北大震災直後

舞台は再び現代日本・宮城県S市杜王町、
主人公は震災によってできた地形の割れ目から発見された「東方定助」という青年。
しかしこの青年は、DNA鑑定の結果「吉良吉影」という人物であることがわかります。
第4部のラスボスであった「吉良」が、同じく第4部の主人公の名を名乗るなんとも不可解なお話。

この第8部ではジョースター家の家系図が明らかになります(「これは呪いを解く物語」だそうです)
その家系図によると、第7部ジョニージョースターは、
スティールボールラン優勝者・東方乗助とともに日本に渡り、娘リナと結婚、息子ジョージを設けます。
ジョージはリサリサとの間にジョセフを設け、ジョセフはスージーQとの間にホリィを設けます。
ここまでは第6部、パラレルワールドが誕生するまでのジョースター家の家系図と同じ。

しかし、ホリィは「空条貞夫」ではなく「吉良」という男と結婚、「吉良吉影」という息子を設けます。
第3部ではホリィの息子は「空条承太郎」、
ここでは「承太郎」のポジションに「吉良吉影」が入り込んでいます。

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東方定助(吉良吉影)とそのスタンド・ソフト&ウェット(ラスボスは不明)

プッチ神父によると、パラレルワールド誕生以前に自分に殺された承太郎や徐倫らは、
新しい宇宙では誕生しないという話だったので承太郎→徐倫が存在しないのはわかるのですが、
なぜその代わりが、第4部ラスボスの「吉良」なのか?(「オラオラ」といってスタンド攻撃するのは同じ)

そして、この論理に従うと本物の東方仗助は存在する(した)はず。
一体どこへ行ってしまったのか?

また第5部ジョルノジョバーナも存在するはずです。
しかしジョルノはジョナサンとディオの混血児。

第7部でジョニー(ジョナサン)とディエゴ(ディオ)は死闘を繰り広げますが、
ディエゴは吸血鬼になるわけでも、ジョニーの肉体を奪うわけでもないそうです(まだ読んでません)
そうなるとジョルノはいかなる形でこのパラレルワールドに登場するのか(しないのか)?
ディエゴの子孫みたいなのが出てきているみたいですから、そのラインからなんらかの繋がりで登場するかも。

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スタープラチナとザ・ワールド

しかしこのパラレルワールドでは、
ジョースター家の血統は「誇り」というよりも、運命を縛る「足枷」のように働いています。

ジョースター一族は、ディオという「絶対悪」の存在あったからこそ、
自分たちを「正しい」と信じることができました。
それはある意味幸せなことなのでしょう。
シンプルでわかりやすい、ということは目的意識や目標をしっかりと持つことができるからです。
(ヴィジョンが明確になりやすい、目標を定めやすい)

しかし、「絶対悪」のいないこのもう一つの世界では、
そのクッキリした二元論的関係は崩れ去ってしまうわけです(現実の世界は普通そうです)

※ スタンドとは使い手のそばに立ち、使い手を守る守護霊のような存在で、
 使い手によって全く違ってた固有の「像」と「能力」を持っています(スタンド使いにしか見えない)
   精神力の強い者に発現し、精神の強さがそのままスタンドの強さとなって現れる超能力表現の進化形。


止まった時の世界に入門する承太郎。

と、まあデータをリスト化しただけではもちろん、
このように長文を費やして説明しても説明しきれないくらい、この作品は長く複雑で入り組んだストーリーです。
実は私、第7部の途中までしか読んでないので、それ以降の詳細な内容を実は知りません(笑)

しかし、連載全てを通して、圧倒的な人気を誇るのが第3部スターダストクルセイダース!
ジョースター家にまつわる奇妙な物語は、このディオという男の介入によって始まります。
彼は、現在放送されている第3部で死亡しますが、
残された負の遺産によってその後の子孫たちの運命は捻じ曲げられてしまいます。

この第3部辺りから、「時間に干渉する」能力が登場するので話はより複雑で分かりにくい展開に(笑)
しかも、その内容をちゃんと理解していないとその後のストーリーを追っていけないんですね。
ですから、この第3部最終決戦は「ジョジョの奇妙な冒険」という作品を深く、
そして最もわかりやすく理解するための「基本」とも言える重要なエピソードなのです。


凶悪かつ最もシンプルな処刑法を思いつくDIO。さすが純粋なる「悪」

上記に記しましたように、スタンドの能力は人それぞれ。
主人公・空条承太郎のように単純にパワーとスピードで敵を殴り飛ばす、
いかにも少年誌の主人公らしいシンプルでわかりやすい能力もあれば、
炎、砂、水、氷、磁力、霧等、自然の力を操る能力、剣や銃などの武器を操る能力、
鉱物や乗り物、人等、何かに化ける能力、未来を予言する能力、心を読む能力、魂を奪う能力、
人に取り憑いたり、幻覚や夢、太陽を作り出したり、念写したり、反射する光の中を移動したり、
と、よくもまあここまで考えるなぁ〜と、
関心し呆れてしまうほどバラエティーに富んだスタンドが現れます。

こいつのスタンド能力こそ最強なんじゃね?と思っても必ず弱点があって、
ジョースター一行は毎回知恵を振り絞ってその弱点を見極め、
次々に現れるスタンド使い(ディオの配下)を撃破していきます。
(ジョジョの戦いはすべて、正に刹那の時=「これしかない」っていう瞬間を見極めるように展開されます)

じゃあラスボスのディオの能力ってどんなん?
と当時ガキンチョだった私はおろか、
全国の少年達を大興奮の渦の巻き込んだそのディオのスタンドこそ「時間を止める」能力!!

説明するまでもなく掲載した動画をご覧いただければわかるのですが、
どんなに強いヤツでも、時間を止められて知らない間に攻撃されてしまったらもどうしようもありません。
素っ裸で寝ている所をジロジロ見られているようなモノ、完全な無防備状態。
相手が目の前にいても気付かない、攻撃されても気付かない、
ディオが言うように「死んでいることにすら気付かない」反則みたいな能力。

「そんなんありかよ〜」と当時思ったことも事実ですが、確かにこいつは最強、
タロットカードナンバー21「THE WORLD」世界を支配するにふさわしい能力だと思います。
それにしても、ディオの野望はいつの間にか「世界征服」になってるんですね(笑)


承太郎との頭脳戦に敗れるDIO。DIOを睨むスタープラチナの表情がなんとも痺れます!

昔、OVA版を見たことがあるんですが、今ひとつ迫力に欠ける作品で残念だったのを覚えています(泣)
しかし現在放送されているジョジョは演出、迫力共々申し分なし!
3D使ったり、逆に原画の絵をそのまま動かしたりするなど凝った演出がされています。

ファンにとって一番嬉しいのが、
この作品に登場するキャラの独特なポーズやセリフ回しを特に強く意識して描かれているという点ですね。
以前何かの記事でご紹介したいわゆる「ジョジョ立ち」という極端に腰に捻転を加えた独創性豊かなポーズは、
この「ジョジョの奇妙な冒険」に由来していて、
どっかの国で「ジョジョ立ち」のコンテストまで開かれているほどグローバルになっております(笑)

私はよく「腰の感じがなんかイヤラシイ」などと言いますが、
この「腰の捻り」へのこだわりは多分この作品にあると思います(笑)
それと画像から動画へ興味が移っていったのもこの作品の影響。

静止した画像を動かし対象(人物)=被写体に「時間」を与えてやる、
動画を改造することで対象(人物)=被写体に別の未来(パラレルワールド)を歩ませる、
軌跡を変える、軌道を捻じ曲げる、ブレ、リバース、基準を合わせる、基準を見つける、基準を作る、
すべてこの作品のややこしい話がヒントになっております(笑)


最後は承太郎が時を止めます。ちょっと強引(笑) 

現在の第3部が終了すると第4部が始まるのですが、放送されるかどうかはわかりません。
ファンとしては大いに期待してますが!

しかしこっから先は、より複雑で入り組んだ世界が展開されます。
スタンド能力も進化、つまりよりわかりにくいモノが登場します(笑)

空間を削り取る能力、対象を情報の塊(本)に変えてしまう能力、
住んでいる鉄塔から出られない能力(最も意味不明な能力、ツッコミどころが多すぎる能力)
物体に力をチャージする能力、色んなところにチャックを作る能力(笑)
考えただけでも頭がクラクラしてしまいそうなわけのわからんスタンド能力が登場、
しかも複雑な心理戦・頭脳戦が展開されるので、
ファンの私ですら未だによく理解できないエピソードがあるくらい!

しかし、これがわかってくると超ハマってしまうんですね(笑)
そして、自分で「何かを作ってみる(経験してみる)」と、つまり作者同様創作する側に立ってみると、
ただ考えているだけ、受け身なって鑑賞しているだけでは理解しきれなかったところが、
理解できるようになってきます。「感触が実感として掴める」といった感じですか?

だから、「作る」というのは、物事を「より深く理解する」というこでもあるのです。

この作品はそういう意味でも、角度や視点を変えて見る価値大いにあり!
様々なアイデアを生み出すヒントのようなモノがたくさん詰まった作品なのです!

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Category : 保存文書
Posted by グラオナ最高 on  | 0 comments

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