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056 稲川さんの話 〜 続 ◯◯からの電話 〜

prl1403070940003-p1.jpg 

前回の続きです。

C君はB君の死を知って愕然としました。まさかっ!ありえないっ!と思いました。

しかし、
2人亡くなる直前に「電話」があったのは事実。
少なくともA君がその電話を受け取っているところをC君は目撃しています。
そして、次にかかってくるのは間違えなく自分だっ! C君はそう思いました。

それにしてもなぜ俺たちのところに? それ以前にいったい誰からの「電話」なんだ?

いくら考えたってわかりません。
C君はとにかく恐ろしくて、しばらく電話に出ることができませんでした。
留守録に設定し、まずメッセージを確認してから、
改めてこちらからかけ直すというほど怖かったんです。

しかし
仕事をしている以上、いつまでもそんなことは続けられません。
何ヶ月かたち、何年かたち、C君は次第にこの事を忘れていったんです。

P0007994g-002.jpg

それから、
数年の月日が流れ、C君にも彼女ができました。

休日はどこへいこうか? 映画、遊園地、海?
彼女とどうやって過ごすかを考えるだけで、
ウキウキしてしまうような楽しい楽しい毎日が訪れました。


ある日、
C君は彼女と長電話をし、翌日遊びにいく約束をしました。
しかし、電話を切って明日の支度を始めようとすると、再び電話が鳴りました。

あれ? 何か言い忘れたことでもあるのかな? 

C君は、彼女がまたかけ直してきたんだと思い、受話器を取り「もしもし」と応対します。

「あなた.......キュルキュルキュル.........でしょ?」

???
C君は、その電話が何なのかすぐには思い出せませんでした。
何だこれ? イタ電?
しかし次の瞬間、一気に記憶が蘇ってきましたっ!

あの「電話」だっ! 間違えないっ! ついに俺にもきたっ! かかってきたっ!

C君は背筋が寒くなりましたっ! 恐怖で氷つきそうになりましたっ!

どうするっ!? どうするっ!?

20140721-00000020-flix-000-1-view.jpg 

そういえば、
あの2人はこの「電話」を途中で切ってしまったために死んだ?
いやいや! 殺されてしまったんじゃないのかっ!? 
ならば今ここで、この「電話」を切る訳にはいかないっ! 絶対にいかないっ!

C「もしもしっ! 誰なんですかっ!? あなた誰なんですかっ!?」
電「あなた.........キュルキュルキュル..........でしょ?」
 「あなた.........キュルキュルキュル..........でしょ?」
C「もしもしっ! 悪戯だったらやめろっ!」
「あなた.........キュルキュルキュル..........でしょ?」
 
「あなた.........キュルキュルキュル..........でしょ?」

C君は何度も「電話」の女性(とおぼしき)に向かって叫びますが、
彼女はこの台詞を機械のように繰り返すばかりです。

しかし「電話」を切る訳にはいきません。
手に汗握りながら、受話器をギュッと掴んで、
身体を伝う気持ちの悪い冷や汗を背中に感じながら、ずっとこの「電話」を聞いていました。

しかし、何時間たってもその「電話」の調子は変わりません。

さすが意識が朦朧としてきました。
でも彼には、「電話」を切ることは絶対にできないんです。

takao_02(1).jpg

やがて、空も白み初め、朝を迎えようとした頃に、

「あなた.....キュルキュル...いん.......でしょ?」
「あなた.....キュルキュルたいん.......でしょ?」

テープの早回しのようなキュルキュルの部分が、ペースダウンして段々スローになり、
少しづつですが、何を言っているか聞き取れるようになってきました。

「あなた.....キュルキュにたいん......でしょ?」
「あなた.....キュルキュにたいん......でしょ?」

ぼんやりする意識の中で、C君が聞いた言葉は...............................

 
「あなた.......死にたいん..........でしょ?」


C君は、
「いやっ! 俺は死にたくないっ 死にたくないよっ!


.............ガチャン..............ツーツーツーツー............................................


そこで「電話」は切れたそうです。

そしてC君は、今でも無事に生きているそうです。

おわり

mi100811-img02.jpg   

最初にお話したように、この話が真実であるかどうかはわかりません。
しかしこれが、たとえ作り話であっても、
稲川さんのような一流のテラーが語れば、身の毛もよだつ怪談奇談となります。
今回、自分なりにこの話にアレンジも加えましたが、
私にその大役が務まったかどうかはわかりません。


人の書いた記事なんて面白くもなんともありません。私の書いた記事も同様です。
ほとんどはろくに読まれもせずにスルーされていくでしょう。
だから画像や映像など、
瞬時に情報を享受しやすい媒体にどうしても頼りがちになってしまいます。

しかし、ネットにはそんなサイトやブログが溢れかえっています。
私の創るモノが、それらとなんら変わらないものであれば、
いずれは飽きられ、忘れ去られていくただの「消耗品」になってしまうでしょう。

だって、
所詮は誰かが創ったモノを借りてきて拵えた「2次創作物」に過ぎないんですから。


最初はいいんです。読んでくれなくも。

しかし、
「このサイト少し他と違うな」
「おっ、ちょっとこれ面白そうだな、見てみようか」
「おっ、意外に面白いぞこれ」
なんて感じで、ちょっとづつ興味を持っていってくれれば。

ならば、
読んでくれる人達を魅了するような、
それら媒体に頼らない「生きた」文章を綴らねばなりません。
写真や映像なんかなくっても、
独立して立っていられるような「力」のある記事を書かねばなりません。

前回もお話したように、
これらの怪談奇談には、人を引きつけてやまない独特の力とリズムがあります。
いかにしてリアルな台詞回しをするか? 
それらをどこにどのようなタイミングで挿入すれば最も効果的か?等々。
宝のようなテクニックがたくさん詰まっています。


これは、
少しでも魅力的な記事を創ろうとする、私自身の「特訓」であり「修行」なんです。



しかし、本当によくできたお話です。 話下手の私が語ってすら怖いんですから。


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Category : 稲川さんの話
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前回の続きです。

C君はB君の死を知って愕然としました。まさかっ!ありえないっ!と思いました。

しかし、
2人亡くなる直前に「電話」があったのは事実。
少なくともA君がその電話を受け取っているところをC君は目撃しています。
そして、次にかかってくるのは間違えなく自分だっ! C君はそう思いました。

それにしてもなぜ俺たちのところに? それ以前にいったい誰からの「電話」なんだ?

いくら考えたってわかりません。
C君はとにかく恐ろしくて、しばらく電話に出ることができませんでした。
留守録に設定し、まずメッセージを確認してから、
改めてこちらからかけ直すというほど怖かったんです。

しかし
仕事をしている以上、いつまでもそんなことは続けられません。
何ヶ月かたち、何年かたち、C君は次第にこの事を忘れていったんです。

P0007994g-002.jpg

それから、
数年の月日が流れ、C君にも彼女ができました。

休日はどこへいこうか? 映画、遊園地、海?
彼女とどうやって過ごすかを考えるだけで、
ウキウキしてしまうような楽しい楽しい毎日が訪れました。


ある日、
C君は彼女と長電話をし、翌日遊びにいく約束をしました。
しかし、電話を切って明日の支度を始めようとすると、再び電話が鳴りました。

あれ? 何か言い忘れたことでもあるのかな? 

C君は、彼女がまたかけ直してきたんだと思い、受話器を取り「もしもし」と応対します。

「あなた.......キュルキュルキュル.........でしょ?」

???
C君は、その電話が何なのかすぐには思い出せませんでした。
何だこれ? イタ電?
しかし次の瞬間、一気に記憶が蘇ってきましたっ!

あの「電話」だっ! 間違えないっ! ついに俺にもきたっ! かかってきたっ!

C君は背筋が寒くなりましたっ! 恐怖で氷つきそうになりましたっ!

どうするっ!? どうするっ!?

20140721-00000020-flix-000-1-view.jpg 

そういえば、
あの2人はこの「電話」を途中で切ってしまったために死んだ?
いやいや! 殺されてしまったんじゃないのかっ!? 
ならば今ここで、この「電話」を切る訳にはいかないっ! 絶対にいかないっ!

C「もしもしっ! 誰なんですかっ!? あなた誰なんですかっ!?」
電「あなた.........キュルキュルキュル..........でしょ?」
 「あなた.........キュルキュルキュル..........でしょ?」
C「もしもしっ! 悪戯だったらやめろっ!」
「あなた.........キュルキュルキュル..........でしょ?」
 
「あなた.........キュルキュルキュル..........でしょ?」

C君は何度も「電話」の女性(とおぼしき)に向かって叫びますが、
彼女はこの台詞を機械のように繰り返すばかりです。

しかし「電話」を切る訳にはいきません。
手に汗握りながら、受話器をギュッと掴んで、
身体を伝う気持ちの悪い冷や汗を背中に感じながら、ずっとこの「電話」を聞いていました。

しかし、何時間たってもその「電話」の調子は変わりません。

さすが意識が朦朧としてきました。
でも彼には、「電話」を切ることは絶対にできないんです。

takao_02(1).jpg

やがて、空も白み初め、朝を迎えようとした頃に、

「あなた.....キュルキュル...いん.......でしょ?」
「あなた.....キュルキュルたいん.......でしょ?」

テープの早回しのようなキュルキュルの部分が、ペースダウンして段々スローになり、
少しづつですが、何を言っているか聞き取れるようになってきました。

「あなた.....キュルキュにたいん......でしょ?」
「あなた.....キュルキュにたいん......でしょ?」

ぼんやりする意識の中で、C君が聞いた言葉は...............................

 
「あなた.......死にたいん..........でしょ?」


C君は、
「いやっ! 俺は死にたくないっ 死にたくないよっ!


.............ガチャン..............ツーツーツーツー............................................


そこで「電話」は切れたそうです。

そしてC君は、今でも無事に生きているそうです。

おわり

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最初にお話したように、この話が真実であるかどうかはわかりません。
しかしこれが、たとえ作り話であっても、
稲川さんのような一流のテラーが語れば、身の毛もよだつ怪談奇談となります。
今回、自分なりにこの話にアレンジも加えましたが、
私にその大役が務まったかどうかはわかりません。


人の書いた記事なんて面白くもなんともありません。私の書いた記事も同様です。
ほとんどはろくに読まれもせずにスルーされていくでしょう。
だから画像や映像など、
瞬時に情報を享受しやすい媒体にどうしても頼りがちになってしまいます。

しかし、ネットにはそんなサイトやブログが溢れかえっています。
私の創るモノが、それらとなんら変わらないものであれば、
いずれは飽きられ、忘れ去られていくただの「消耗品」になってしまうでしょう。

だって、
所詮は誰かが創ったモノを借りてきて拵えた「2次創作物」に過ぎないんですから。


最初はいいんです。読んでくれなくも。

しかし、
「このサイト少し他と違うな」
「おっ、ちょっとこれ面白そうだな、見てみようか」
「おっ、意外に面白いぞこれ」
なんて感じで、ちょっとづつ興味を持っていってくれれば。

ならば、
読んでくれる人達を魅了するような、
それら媒体に頼らない「生きた」文章を綴らねばなりません。
写真や映像なんかなくっても、
独立して立っていられるような「力」のある記事を書かねばなりません。

前回もお話したように、
これらの怪談奇談には、人を引きつけてやまない独特の力とリズムがあります。
いかにしてリアルな台詞回しをするか? 
それらをどこにどのようなタイミングで挿入すれば最も効果的か?等々。
宝のようなテクニックがたくさん詰まっています。


これは、
少しでも魅力的な記事を創ろうとする、私自身の「特訓」であり「修行」なんです。



しかし、本当によくできたお話です。 話下手の私が語ってすら怖いんですから。


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